男の靴雑誌LAST

Features

issue_9

Madras

Visiting Factory of madras
名古屋で引き継がれる
靴づくりを訪ねて。

『マドラス』のファクトリーでは、
手仕事を駆使した靴づくりが今日も行われていた。

text_Yukihiro Sugawara photographs_Takao Ohta

LASTING

「木型を反映する丁寧なつり込み」

ラスティングのプロセスの責任者は、靴づくり5年目の宮田雄基氏。
新卒でマドラスに入社し、フィニッシングを経てこの工程を担当するようになった。現在このラスティングの工程では6名のワーカーが作業を行っている。

ラスティングのプロセスの責任者は、靴づくり5年目の宮田雄基氏。
新卒でマドラスに入社し、フィニッシングを経てこの工程を担当するようになった。現在このラスティングの工程では6名のワーカーが作業を行っている。

別のファクトリーで縫われたアッパーに、水で濡らしたヒールカウンター等を入れて、革が割れないように「蒸し機」に入れて木型となじませる

別のファクトリーで縫われたアッパーに、水で濡らしたヒールカウンター等を入れて、革が割れないように「蒸し機」に入れて木型となじませる

機械でまずつり込みを行う。

機械でまずつり込みを行う。

手作業でウエスト(土踏まず)部などをつり込んでいく。この写真では、中底の角がしっかりと出ているのがわかる。

手作業でウエスト(土踏まず)部などをつり込んでいく。この写真では、中底の角がしっかりと出ているのがわかる。

「マドラス式」、同社のファクトリーで、そのように呼ばれている靴づくりの手法。その特徴のひとつは、ラスティングのプロセスを、底付けのプロセスと分けて、それぞれの工程の担当者が作業をコントロールしていることだろう。それはまた、マドラスの靴に対する価値観を端的に反映してもいる。
 縫製されたアッパーとライニングに、カウンターなどの芯材や補強を入れ、木型の形状に沿って、インソールなどとともにつり込み、くせ付けをする。それがラスティングであり、靴のシルエットを決定づける重要なプロセスである。マドラスでは、機械を使ったラスティングの中に、より人間的な、手仕事の要素を巧みに盛り込んでいる。ヒールカウンターなどの部材は、水を含ませて、くせ付けしやすいように下準備をした上で、作業を行う。また、機械によるつり込みだけでは力のかかり方が均等になってしまうため、ウエスト(土踏まず)部などはさらに手作業によってつり込む。その際、中底の角を出すようにする。

MAKING

「靴の安定感を左右する工程」

メイキングのプロセスの責任者は、靴づくりのキャリア22年のベテラン、高橋努氏。婦人靴のメーカーを経て、3年前にマドラスに加わった。マドラスでは底の仕様も多種多様で、それら全てに通じたワーカーはファクトリーでも数少ないという。

メイキングのプロセスの責任者は、靴づくりのキャリア22年のベテラン、高橋努氏。婦人靴のメーカーを経て、3年前にマドラスに加わった。マドラスでは底の仕様も多種多様で、それら全てに通じたワーカーはファクトリーでも数少ないという。

コテやクルマなどの器具を使って底に入れる模様などは、以前から使い続けているスタイルを継承するために、手仕事で施されることが多いという。

コテやクルマなどの器具を使って底に入れる模様などは、以前から使い続けているスタイルを継承するために、手仕事で施されることが多いという。

底のインク塗りをはじめとした底の仕上げも、このメイキングで行う。

底のインク塗りをはじめとした底の仕上げも、このメイキングで行う。

FINISHING

「繊細な感性と丁寧な仕事が生む仕上がり」

靴によってさまざまな仕上げが施されるが、そのベースとなるのが革の油分や汚れなどを落とす下準備の工程。その都度新しいスポンジを使って、革の表面を下処理剤で拭き取っていく。

靴によってさまざまな仕上げが施されるが、そのベースとなるのが革の油分や汚れなどを落とす下準備の工程。その都度新しいスポンジを使って、革の表面を下処理剤で拭き取っていく。

フィニッシングのプロセスの責任者は、大学でデザインを学んだという中村考志氏。入社以来7年にわたって仕上げを担当している。靴の仕上がりを考えて、このプロセスでは再度木型を靴に入れて、ハンマーや電熱のコテなどを使って革をなじませていく。

フィニッシングのプロセスの責任者は、大学でデザインを学んだという中村考志氏。入社以来7年にわたって仕上げを担当している。靴の仕上がりを考えて、このプロセスでは再度木型を靴に入れて、ハンマーや電熱のコテなどを使って革をなじませていく。

エアブラシを使った色づけでは、黒の革にネイビーのワックスを使うなど、色に対する繊細な感性が感じられる。

エアブラシを使った色づけでは、黒の革にネイビーのワックスを使うなど、色に対する繊細な感性が感じられる。

ファクトリーでは、靴の色に合わせた、ベルトの色づけも行っている。熟練の職人の手作業で、何度も色を重ねることで仕上げられる。

ファクトリーでは、靴の色に合わせた、ベルトの色づけも行っている。熟練の職人の手作業で、何度も色を重ねることで仕上げられる。

かくして生み出されたシルエットを維持するように、しっかりと木型の形に沿って底付け=メイキングが行われ、フィニッシングへ。色づけやポリッシュもまた、熟練の技による手仕事が多く盛り込まれている。果たしてマドラス式とは、既製靴づくりの随所に盛り込まれるハンドワーク、そして自社にて継承される独特のクラフツマンシップを共有する、符牒、あるいはマニフェストなのかもしれない。

madras

日本上陸50周年を迎える老舗のバリエーション。

M223
ヨットの先端をイメージしたビークトウ木型を採用したブランド日本上陸50周年記念モデル。大きさの違うバックルとコンビ素材使いが遊びごころを感じさせる。
▷¥28,000

M223
ヨットの先端をイメージしたビークトウ木型を採用したブランド日本上陸50周年記念モデル。大きさの違うバックルとコンビ素材使いが遊びごころを感じさせる。
▷¥28,000

 マドラスの靴の最大の特徴は、手仕事も交えたファクトリーでの靴づくりから生み出される、流麗なシルエット。日本人の足を念頭に、よりスマートなルックスを生み出すようつくられた木型を使い、その形状をしっかりとしたつり込みで再現している。さらにマッケイ製法中心のコンストラクションは、柔らかな履き心地を実現している。そして、つま先に山の尾根のような形状を施した「ビークトウ」は、独自の存在感として、50周年モデル他に採用され、同ブランドのクラフツマンシップを象徴する存在といえる。その一方で、ゴアテックス®ファブリクスなどのテクノロジーを盛り込んだモデルなど展開して、快適性を追求した靴づくりもまた、同ブランドならではの特色といえるだろう。

M707G
ゴアテックス®フットウェアのキャップトウオックスフォード。雨天時のスーツスタイルに重宝しそうな、オーセンティックなスタイルと機能性が魅力。
▷¥30,000

M707G
ゴアテックス®フットウェアのキャップトウオックスフォード。雨天時のスーツスタイルに重宝しそうな、オーセンティックなスタイルと機能性が魅力。
▷¥30,000

M219
フィット感とクッション性を備えた、マドラスオリジナルの「ボローニャ製法」のスリップオン。手塗り仕上げのコンビネーションカラーはシックな印象。
▷¥28,000

M219
フィット感とクッション性を備えた、マドラスオリジナルの「ボローニャ製法」のスリップオン。手塗り仕上げのコンビネーションカラーはシックな印象。
▷¥28,000

M218
マドラスオリジナルの「ボローニャ製法」を採用したクォーターブローグ。返りの良さとクッション性を兼ね備えている。アッパーは高級感ある手塗り仕上げ。
▷¥28,000

M218
マドラスオリジナルの「ボローニャ製法」を採用したクォーターブローグ。返りの良さとクッション性を兼ね備えている。アッパーは高級感ある手塗り仕上げ。
▷¥28,000

M222
こちらもビークトウのラストを使ったホールカットモデル。シンプルなスタイルゆえにラストシルエットの特徴がよく表現されている。マッケイ製法。
▷¥28,000

M222
こちらもビークトウのラストを使ったホールカットモデル。シンプルなスタイルゆえにラストシルエットの特徴がよく表現されている。マッケイ製法。
▷¥28,000

M226
光沢感が魅力のアドバンレザーをアッパーに使ったキャップトウオックスフォード。新たに作成したロングノーズのチゼルラストを採用している。
▷¥23,000

M226
光沢感が魅力のアドバンレザーをアッパーに使ったキャップトウオックスフォード。新たに作成したロングノーズのチゼルラストを採用している。
▷¥23,000

M214
イタリア・OSBA社の牛革を使った、モカステッチが印象的な最高級ランクシリーズの一足。イタリア現地で学んだという仕上げは、美しいグラデーションを見せる。
▷¥40,000

M214
イタリア・OSBA社の牛革を使った、モカステッチが印象的な最高級ランクシリーズの一足。イタリア現地で学んだという仕上げは、美しいグラデーションを見せる。
▷¥40,000

information contact マドラス お客様相談室 0120-30-4192 www.madras.co.jp
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About LAST

LASTとは?

すべての紳士たちに向けた靴の専門誌です。こだわりを持つ男にとって、装いの要ともいえる靴を取り上げ、国内外の取材を織り交ぜながら、靴そのものの魅力と、靴を軸としたメンズスタイルの奥深い世界を紹介します。世界唯一の靴専門誌として、クオリティの高いヴィジュアルと、深い知識を備えた文章で、成熟した知性にとっても満足をもたらす誌面を追求していきます。タイトルの『LAST(ラスト)』は 、靴をつくる際に必要である木型(靴型)に由来します。