男の靴雑誌LAST

Features

issue08

LAST-STYLE-LAB

革靴、今季ならこう着る。

ストリートではスニーカーの存在感が圧倒的。
そんななかでひと味違った着こなしとして、革靴を選びたい。
達人たちに、今シーズンならではの着こなしを訊ねた。

西郡友典│写真 photographs_Tomonori Nishigori
細村剛太郎│文 text_Gotaro Hosomura

潮流の軽さを取り入れ、シックに着るバランス感。

ジャケットは『クラス』。そこに「エルメス」のヴィンテージスカーフをプラスして。ポロシャツとデニムパンツは『ヤングアンドオルセン ザ ドライグッズストア』。デニムパンツは「リー」の“リーンズ”をモチーフにしてあり、ワタリは太くテーパードしたシルエット。「5㎝程度のロールアップで着用するのがマイブーム」とのこと。足元はスポーツソックスにグリーンのスリッパのコンビネーション。スカーフと靴の色をグリーンで合わせている。

尾崎雄飛_1980年愛知県生まれ。セレクトショップバイヤーを経て2007年、ニットブランドのフィルメランジェ立ち上げに参加。2012年、自身のブランド『サンカッケー』設立。2015年春夏より『ヤングアンドオルセン ザ ドライグッズストア』を展開。

ジャケットは『クラス』。そこに「エルメス」のヴィンテージスカーフをプラスして。ポロシャツとデニムパンツは『ヤングアンドオルセン ザ ドライグッズストア』。デニムパンツは「リー」の“リーンズ”をモチーフにしてあり、ワタリは太くテーパードしたシルエット。「5㎝程度のロールアップで着用するのがマイブーム」とのこと。足元はスポーツソックスにグリーンのスリッパのコンビネーション。スカーフと靴の色をグリーンで合わせている。

尾崎雄飛_1980年愛知県生まれ。セレクトショップバイヤーを経て2007年、ニットブランドのフィルメランジェ立ち上げに参加。2012年、自身のブランド『サンカッケー』設立。2015年春夏より『ヤングアンドオルセン ザ ドライグッズストア』を展開。

靴は『トリッカーズ』のスリッポンタイプスリッパ。昔バイイングをしていたセレクトショップで、別注を掛けた物で、カラーとエンブレムを選んだそう。レザーソールにこだわり、ゴムの裏張りはしていない。

靴は『トリッカーズ』のスリッポンタイプスリッパ。昔バイイングをしていたセレクトショップで、別注を掛けた物で、カラーとエンブレムを選んだそう。レザーソールにこだわり、ゴムの裏張りはしていない。

『サンカッケー』『ヤングアンドオルセン ザ ドライグッズストア』と自身のブランドを手掛けつつ、「フィルメランジェ」のディレクターもこなすデザイナー、尾崎雄飛さん。ウェアが全体的に軽くなる今季、「足元も必然的にカジュアルなスニーカーになるのでしょう」と分析する。しかし自身は革靴を流行り廃り関係なく履くという。「週4日は革靴です」と世の潮流に迎合しない。といいつつもライトな気分は取り入れて、革靴でも一番軽いレザーソールのスリッパを選択。
「ジャケットは着たい」と語るが、その理由はウェアが軽くなる分、少しカチッと見せたいから。ただボタンのない羽織るタイプで、芯地などが透けて見える極薄の生地のものだ。そこにエルメスのヴィンテージスカーフを垂らし、アドオン(=加えていく)な感じが気分。ボトムは軽めにテーパードしたデニムをロールアップ。ポロシャツはデニムにインしたいので、ベルトレスでサスペンダーを着用。流行を見事に咀嚼した鋭い装いだ。



いろいろな要素を入れた、着こなしの可能性の追求。

撮影場所は新事務所のある神保町近くの錦華公園。神保町を選んだのは、古本街なので資料が入手しやすいから。ワイドラペルでローゴージの白リネンダブルジャケットに、アメリカ製シャツと両大剣のリバーシブルネクタイをプラス。パンツはフランス軍のオーバーパンツのようなヴィンテージパンツに、ベージュのグルカサンダルで仕上げ。ジャケット¥82,000、ネクタイ¥15,800、シャツ¥25,000、サンダル¥38,000(すべてケネスフィールド™/tel.03-5670-7675)。

草野健一_1969年、熊本県生まれ。ビームスプラスのディレクターを経て、2012年秋冬より自身のブランド{
『ケネスフィールド™』をスタート。昨年までイタリアWP社『バラクータ』ブルーレーベルのディレクターを務める。神保町に新事務所を構えさらに勢い加速。

撮影場所は新事務所のある神保町近くの錦華公園。神保町を選んだのは、古本街なので資料が入手しやすいから。ワイドラペルでローゴージの白リネンダブルジャケットに、アメリカ製シャツと両大剣のリバーシブルネクタイをプラス。パンツはフランス軍のオーバーパンツのようなヴィンテージパンツに、ベージュのグルカサンダルで仕上げ。ジャケット¥82,000、ネクタイ¥15,800、シャツ¥25,000、サンダル¥38,000(すべてケネスフィールド™/tel.03-5670-7675)。

草野健一_1969年、熊本県生まれ。ビームスプラスのディレクターを経て、2012年秋冬より自身のブランド{
『ケネスフィールド™』をスタート。昨年までイタリアWP社『バラクータ』ブルーレーベルのディレクターを務める。神保町に新事務所を構えさらに勢い加速。

木型につり込んで仕上げたグルカサンダル。「ちょっとボリュームが欲しかった」とダブルソールでクレープソール張り。メキシコ製。¥38,000(ケネスフィールド™/tel.03-5670-7675)

木型につり込んで仕上げたグルカサンダル。「ちょっとボリュームが欲しかった」とダブルソールでクレープソール張り。メキシコ製。¥38,000(ケネスフィールド™/tel.03-5670-7675)

 デザイナー草野健一さんのブランド、『ケネスフィールド™』の今季のテーマは“洋服の可能性と着こなしの可能性”。それは流行りのイタリアの細身カジュアルやネイビーのワントーンになどに対して、違う可能性を示すもの。草野さんが得意とするアメリカをベースにしつつも、“こういう提案、着こなしがある”と日本人ならではのミックススタイルを目指す。そのとおり、草野さん自身の着こなしは1930〜50年代×80年代テイストと国を混ぜ、グルカサンダルを用いたコロニアルな雰囲気でリラックスしたもの。1939年のシカゴで作られたダブルのジャケットをベースにした、肩がしっかりとしたリネンの白ダブルジャケットに、フランスのヴィンテージ極太ワークパンツという野暮ったい気分の装い。そこに30〜40年代が薫るタイをしてクラシカルにしつつ、結びを緩めラフ感を演出している。今季っぽいのはサンダル。木型は50年代のドレスシューズのもので、サンダルながらドレス感が漂うのがポイント。

色の魔術師は革靴がお好き。

ハットは『ジェームス・ロック』のファッションよりのラインのもの。コートは『クラス』。ジャケットは『ビームスF』の今季のラインで、ボタンは貝に変えてある。シャツは『サルバトーレ ピッコロ』。タイは『ドレイクス』のビームスF別注で、幅を細く改造してある。505はねじれに逆らい、あえてクリースを入れてある。短めで穿くのがお好み。ソックスは「幼稚ですが全体の色を拾っています」とのこと。『レッドソックス』のもので以前の店舗でオーダーしたもの。

尹 勝浩_1969年、大阪生まれ。ビームス大阪店のアルバイトを経て、ビームス入社。フェルメリストビームスのバイヤーなどを経て2012年退社。同年ザ・ジェネラルストア代表就任。2014年6月に退職。現在、ビームス銀座で働きつつ、雑誌『ポパイ』などで連載も持つ。

ハットは『ジェームス・ロック』のファッションよりのラインのもの。コートは『クラス』。ジャケットは『ビームスF』の今季のラインで、ボタンは貝に変えてある。シャツは『サルバトーレ ピッコロ』。タイは『ドレイクス』のビームスF別注で、幅を細く改造してある。505はねじれに逆らい、あえてクリースを入れてある。短めで穿くのがお好み。ソックスは「幼稚ですが全体の色を拾っています」とのこと。『レッドソックス』のもので以前の店舗でオーダーしたもの。

尹 勝浩_1969年、大阪生まれ。ビームス大阪店のアルバイトを経て、ビームス入社。フェルメリストビームスのバイヤーなどを経て2012年退社。同年ザ・ジェネラルストア代表就任。2014年6月に退職。現在、ビームス銀座で働きつつ、雑誌『ポパイ』などで連載も持つ。

レバリーのネイビーカーフと白スエードのツートーンスリップオン。レザーソールだが、底にはゴムを張り履きやすくカスタムしている。

レバリーのネイビーカーフと白スエードのツートーンスリップオン。レザーソールだが、底にはゴムを張り履きやすくカスタムしている。

今は「スニーカーは履かなくなった」という尹 勝浩さん。自転車に乗るときも革靴だという。革靴のスタイリングのコツを尋ねると、「楽しく見えることが大切」ときっぱり。パッと見の綺麗さや清潔感を心掛けているという。選んだ靴は『ジョージ・クレバリー』のスリップオン。カジュアルに革靴が楽しめるのが決め手だった。まず考えたのは春らしさ。「色を入れた方が楽しいので、軽い感じで合わせました」と語る。コートはリバーシブルながら、あえてピンク面を選んだ。映画『イーストウィックの魔女たち』で、ジャック・ニコルソンのピンクコート着こなしにインスピレーションを得たもの。ウールホップサックの仕立てが軽いジャケットに、ブラックスチュワート柄のシャツに幅を6㎝にカスタムしたネクタイでタイドアップ。デニムパンツは「リーバイス505」で、クリースを入れ靴の趣に合わせている。エスタブリッシュとツイストしているところが同居しているのが、尹さんが達人たる所以だろう。



スーツをカジュアルに着る秘訣とは。

ジャケットとパンツのセットアップスーツは、平林洋服店のオーダーメイド。ジャケットはラペル幅9㎝の2つボタン。ラペルにはしっかりと芯が入っている。インナーのニットは『コモリ』。ソックスは『ブルックスブラザーズ』のスポーツソックスで、3足パックのMADE IN USA。これもずっと売っているのが気に入っているところ。ジャケット¥220,000、パンツ¥98,000(ともに平林洋服店/tel.03-6805-0271)

平林伸元_2010年、平林洋服店設立。業界でも珍しいフルオーダーのカジュアルウェアをハンドメイドでつくる、新しいスタイルのテーラーである。毎シーズン、新しい型を加え、過去のスタイルもオーダーできる。他ブランドの企画やパターンなども数多く手がけている。

ジャケットとパンツのセットアップスーツは、平林洋服店のオーダーメイド。ジャケットはラペル幅9㎝の2つボタン。ラペルにはしっかりと芯が入っている。インナーのニットは『コモリ』。ソックスは『ブルックスブラザーズ』のスポーツソックスで、3足パックのMADE IN USA。これもずっと売っているのが気に入っているところ。ジャケット¥220,000、パンツ¥98,000(ともに平林洋服店/tel.03-6805-0271)

平林伸元_2010年、平林洋服店設立。業界でも珍しいフルオーダーのカジュアルウェアをハンドメイドでつくる、新しいスタイルのテーラーである。毎シーズン、新しい型を加え、過去のスタイルもオーダーできる。他ブランドの企画やパターンなども数多く手がけている。

U字のモカシン縫いが特徴の『パラブーツ』のシャンボード。ラバーソールで天候や季節関係なく履ける1足。他にはクラークスのデザートブーツも愛用していて、ともにいつでも同じものが買えるのが好きとのこと。

U字のモカシン縫いが特徴の『パラブーツ』のシャンボード。ラバーソールで天候や季節関係なく履ける1足。他にはクラークスのデザートブーツも愛用していて、ともにいつでも同じものが買えるのが好きとのこと。

平林伸元さん率いる平林洋服店の提案は、「スーツをカジュアルに着て欲しい」というもの。平林さんは洗いをかけた綿生地のスーツを身に纏い姿を現した。仕立てのベースはクラシックなビスポークテーラーがやるテーラードながらリラックスして着られるよう、構築的な副資材を抑えてコンフォートで軽い感じを実現している。「スーツはかしこまったものですが、その楽しむ幅を広げたい」と平林さんは言う。自身の服の大前提として着てリラックスできることを挙げる。着倒しができ、水洗いができるなどメンテナンスを気にしないで着られるのも重要な要素のひとつといえる。
 足元には『パラブーツ』のシャンボードを選択。これはスーツの考え方と同じスタンスで、リラックスした、カジュアルだがくだけすぎないものと捉えている。着こなしはタイドアップしない。インナーにはサーマル風の表面感のあるニットをプラスし「らしさ」が強く感じられる。色数は絞り、ノンアクセサリーが信条だ。

同じ服でも違って見えるズルい存在感で個性を発揮。

トレードマークの眼鏡は『オリバーゴールドスミス』製。秋山さんにとって眼鏡は消耗品であり、常に机の上にブランド違いのものを4〜5個おいてあり、靴を履き替えるのと同じように掛け替えるという。よれた感じが気に入っている古着の「ビッグマック」のシャンブレーシャツに、ハイテクを駆使して作られた『クラス』のカーディガンをレイヤード。ハイテク×古着が楽しいと言う。デニムは517をジャストレングスで着用。サンダルにはあえてソックスを合わせている。

秋山淳一郎_『フラテッリ ジャコメッティ』などのシューズブランド、ウェアブランド『クラス』などを扱う「ウィリー」の代表。スキンヘッド、個性的なアイウェアや独特の着こなしセンスで、幅広くその存在が注目される靴業界の重鎮。

トレードマークの眼鏡は『オリバーゴールドスミス』製。秋山さんにとって眼鏡は消耗品であり、常に机の上にブランド違いのものを4〜5個おいてあり、靴を履き替えるのと同じように掛け替えるという。よれた感じが気に入っている古着の「ビッグマック」のシャンブレーシャツに、ハイテクを駆使して作られた『クラス』のカーディガンをレイヤード。ハイテク×古着が楽しいと言う。デニムは517をジャストレングスで着用。サンダルにはあえてソックスを合わせている。

秋山淳一郎_『フラテッリ ジャコメッティ』などのシューズブランド、ウェアブランド『クラス』などを扱う「ウィリー」の代表。スキンヘッド、個性的なアイウェアや独特の着こなしセンスで、幅広くその存在が注目される靴業界の重鎮。

クロコダイル革を用いた「フラテッリ ジャコメッティ」の捨て寸なしのサンダル。お尻周りの革を効率良く取ってあり、ゆえに価格も抑えめ。サンダル¥150,000(フラテッリ ジャコメッティ/ウィリー tel.03-5458-7200)

クロコダイル革を用いた「フラテッリ ジャコメッティ」の捨て寸なしのサンダル。お尻周りの革を効率良く取ってあり、ゆえに価格も抑えめ。サンダル¥150,000(フラテッリ ジャコメッティ/ウィリー tel.03-5458-7200)

 今季の「スニーカー1点張りはつまらない」と秋山純一郎さん。自身が20歳前後の頃はデニムにはローファーが鉄則だったが、今はダブルモンクでもなんでもミスマッチ感覚が許される時代。その感覚は革靴でもスニーカーでも変わらないと言う。つまり革靴だけとかスニーカーだけというのはつまらないということで「振り幅を楽しめる方がいい」と言い切る。同じ格好でもファッションを楽しむというのはそういうことであり、「楽しめるのにもったいない」と語る。
「どんな靴を履いても服はブレない」のが基本で、靴を服に差し込む。「リーバイス517」に『フラテッリ ジャコメッティ』のクロコダイルサンダルで登場した秋山さんは、普段着感覚。本人が楽しむのが一番であり、裾幅の広いデニムにサンダルが氏の中では新鮮だった。「革屋のオヤジがよれたデニムに革靴を履いているのが格好いい」と生活に根ざしたスタイルがお好み。



30sスタイル追求者のコスプレ脱却の秘訣とは。

ジャケットは1930年代のボーティングブレザー。3つボタンで、胸ポケットに「ロイヤル・ランサーズ」のエンブレムを自分で縫い付けた。シャツは『ドレーパーズベンチ』のロングポイントレギュラーカラー。それに30〜40年代の3つ巻きの芯のないタイを締め、70年代のラコステのコットンニットをレイヤード。パンツは30〜40年代のクリケット用の裏地なしホワイトフランネル素材。ボーターは『ポール・スチュワート』。足元は今季の『ア・テストーニ』のタッセルスリップオンにして、モダンさを加味

木村則生_名古屋大学農学部畜産科卒。当時9大商社の一つに数えられた総合商社トーメンに入社し2年勤務。乳製品会社に移籍し12年勤続した後、北参道にサンドウィッチ店「ベターデイズ」を開業。その後、縁あって由田企画に入社し、現在に至る。

ジャケットは1930年代のボーティングブレザー。3つボタンで、胸ポケットに「ロイヤル・ランサーズ」のエンブレムを自分で縫い付けた。シャツは『ドレーパーズベンチ』のロングポイントレギュラーカラー。それに30〜40年代の3つ巻きの芯のないタイを締め、70年代のラコステのコットンニットをレイヤード。パンツは30〜40年代のクリケット用の裏地なしホワイトフランネル素材。ボーターは『ポール・スチュワート』。足元は今季の『ア・テストーニ』のタッセルスリップオンにして、モダンさを加味

木村則生_名古屋大学農学部畜産科卒。当時9大商社の一つに数えられた総合商社トーメンに入社し2年勤務。乳製品会社に移籍し12年勤続した後、北参道にサンドウィッチ店「ベターデイズ」を開業。その後、縁あって由田企画に入社し、現在に至る。

「レリチ」と名付けられたスリップオン専用のつま先を低く抑えた新しい木型を用い、アンラインドでとてもソフトな履き心地。M45852LRG  ¥63,000(ア・テストーニ tel.03-3575-8025)

「レリチ」と名付けられたスリップオン専用のつま先を低く抑えた新しい木型を用い、アンラインドでとてもソフトな履き心地。M45852LRG  ¥63,000(ア・テストーニ tel.03-3575-8025)

 1930年代のスタイルを語らせたら、この方はかなりうるさい。それが由田企画でPRに携わる木村則生さんだ。基本的に革靴が多く、スニーカーは走るときなどだけ。そこには確固たる理由があり、革靴は足に馴染んでくれるが、スニーカーはいつまで経っても足に馴染まずよそよそしいから。
 とにかく昔の英国が好きで、「隙あらば30sスタイルをしたい」という欲望があるという。この道に入ったのは大学を卒業して、上京した1990〜91年頃。ポーチャーなど英国系古着店を回り、そのエレガントなスタイルにどっぷりはまっていった。当然、日本の30s系の総本山だった「ドレーパーズベンチ」にも通った。このスタイルは映画『炎のランナー』がお手本。カレッジブレザーにハイウエストの太いパンツ、ボーター、ロングポイントシャツ……30sは基本みたいなものという。コスプレに陥らないコツを尋ねると、「盛り過ぎず現代のものを数点入れること」という。新作の『ア・テストーニ』の靴を選んだ理由も明快だ。

英国古着で表現する、モダンな妙味。

ジャケットは1950~60年代のテディボーイジャケット。衿、袖、ポケットが切り返しのベルベットになっている。「バーバリー」のボタンダウンシャツにストラングラーズのスウェットシャツをレイヤード。ポケットチーフは「リバティ」と抜かりなし。スラックスはノーブランドでテーパードにカスタムしてあり、短めでロールアップすることが多い。ロング丈のジョージブーツとのコントラストが絶妙のバランス。自身の装いの色は抑えめだが、店の提案は色数を使うという。

野口 匠_1978年、埼玉県出身。米国古着店で働いていたが、人と違う物を着たいという欲求から古着の文化が確固と残っている英国古着にシフト。2011年レザー アンド レースを設立。土曜のみ渋谷桜ヶ丘で店舗を展開。http://www.leatherandlace.jp

ジャケットは1950~60年代のテディボーイジャケット。衿、袖、ポケットが切り返しのベルベットになっている。「バーバリー」のボタンダウンシャツにストラングラーズのスウェットシャツをレイヤード。ポケットチーフは「リバティ」と抜かりなし。スラックスはノーブランドでテーパードにカスタムしてあり、短めでロールアップすることが多い。ロング丈のジョージブーツとのコントラストが絶妙のバランス。自身の装いの色は抑えめだが、店の提案は色数を使うという。

野口 匠_1978年、埼玉県出身。米国古着店で働いていたが、人と違う物を着たいという欲求から古着の文化が確固と残っている英国古着にシフト。2011年レザー アンド レースを設立。土曜のみ渋谷桜ヶ丘で店舗を展開。http://www.leatherandlace.jp

当時は英国軍の靴のOEM先としてサンダース製が多かったが、野口さんが履いているのはエドワード・グリーン製と珍しい物だ。当然、そのつくりの良さはいわずものがな、現代でも立派に映える。

当時は英国軍の靴のOEM先としてサンダース製が多かったが、野口さんが履いているのはエドワード・グリーン製と珍しい物だ。当然、そのつくりの良さはいわずものがな、現代でも立派に映える。

「Leather and Lace(レザー アンド レース)」は、英国やイタリアの古着をウェブと土曜限定の実店舗で展開しており、その品揃えは群を抜く素晴らしさ。その店主が野口 匠さんだ。特に英国軍の古着やスポーツ、アウトドア、ワークなど実用的ユーティリティウェアに関しては今、この人の右に出る者はいないと言っても過言でないだろう。
 今回の着こなしは英国物で統一。選んだ靴は英国軍の1965年製のジョージブーツ。それに合わせるのは、ノーブランドのテディボーイジャケット。エドワード期にダンディと言われる人達が着ていたエドワーディアンジャケットがもとネタ。英国はスウェットを着る文化がないが、それがおもしろいとストラングラーズのプリントスウェットシャツをイン。パンツは60~70年代のスラックス。ミリタリー&サブカルチャーミックスのスタイルがクールだ。「古着を使っても新しい服と同じことができ、負けないことを証明したい」と意気軒昂なところを野口さんは見せてくれた。



One of themは苦手な

希代のスタイリング賢者。

セットアップスーツは『ヌメロ ウノ』で、パッカリングなどMA-1由来のディテール、玉虫の綿100%素材とヒネリ満載。パンツは9分丈なのがコンテンポラリー。シャツは『ディストリクト ユナイテッドアローズ』のクレリックシャツ。カーキグラデでまとめている。『シャルベ』のニットタイでカジュアルさを表現。『ジョン ロブ』のタッセルに素足、白ソックスの次のチョイスとして、一見ステテコのようなレッグウォーマーを合わせるところが達人の領域だ。

小沢 宏_1964年 長野県生まれ。スタイリスト、デザイナー、フューチャーイン代表取締役。スタイリング、ディレクション業と平行して注力するのが、服作りやプロデュース業。2003年設立の『NUMERO UNO(ヌメロ ウノ)』を始め、数々のブランドのデザインを手掛ける。

セットアップスーツは『ヌメロ ウノ』で、パッカリングなどMA-1由来のディテール、玉虫の綿100%素材とヒネリ満載。パンツは9分丈なのがコンテンポラリー。シャツは『ディストリクト ユナイテッドアローズ』のクレリックシャツ。カーキグラデでまとめている。『シャルベ』のニットタイでカジュアルさを表現。『ジョン ロブ』のタッセルに素足、白ソックスの次のチョイスとして、一見ステテコのようなレッグウォーマーを合わせるところが達人の領域だ。

小沢 宏_1964年 長野県生まれ。スタイリスト、デザイナー、フューチャーイン代表取締役。スタイリング、ディレクション業と平行して注力するのが、服作りやプロデュース業。2003年設立の『NUMERO UNO(ヌメロ ウノ)』を始め、数々のブランドのデザインを手掛ける。

革底でヨーロッパっぽい品のあるものがいいと、ジョンロブの一枚革タッセルをセレクト。左は『スタッズ&ウートン』のスリッパ。サンダルにボーダーやドットソックスのバランスも今の気分。

革底でヨーロッパっぽい品のあるものがいいと、ジョンロブの一枚革タッセルをセレクト。左は『スタッズ&ウートン』のスリッパ。サンダルにボーダーやドットソックスのバランスも今の気分。

 人気スタイリストであり、デザイナーでもある小沢 宏さんほど自身のスタイルで冒険する人は珍しい。「やらかしてる感というか、自分の着こなしはさまざま。自分のテンションを上げることであり、マジョリティの中の一人は苦手。変な感じがおもしろい」と潔く語る。世の中の多数派になりつつあるものへの、自分なりのアンチテーゼを常に意識している。また、一目でどこのブランドの何と分かるものには照れがあるという。
 朝、玄関で靴を決め、そこから上の服を考える。今回はパリの『ジョン ロブ』で購入したタッセルローファーありきで、それに合わせスタイリングを発想。カーキが格好良く、気にいっているので、全身をグラデーションでまとめた。自身のブランド『ヌメロ ウノ』のセットアップスーツ、「ディストリクト」のクレリックシャツを合わせ、9分丈のパンツに変てこな感じを出すために『クラス』のレッグウォーマーを配剤。曰く「今季の瞬間的イメージ」が迸る、まさに冒険的スタイリングだ。
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About LAST

LASTとは?

すべての紳士たちに向けた靴の専門誌です。こだわりを持つ男にとって、装いの要ともいえる靴を取り上げ、国内外の取材を織り交ぜながら、靴そのものの魅力と、靴を軸としたメンズスタイルの奥深い世界を紹介します。世界唯一の靴専門誌として、クオリティの高いヴィジュアルと、深い知識を備えた文章で、成熟した知性にとっても満足をもたらす誌面を追求していきます。タイトルの『LAST(ラスト)』は 、靴をつくる際に必要である木型(靴型)に由来します。